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Room4 Illustrations I

猫の絵というのはむずかしい。 
ついつい可愛さに媚びたり、怖い表情になったりする。 
本来この生き物は、怖い顔の持ち主なのかもしれないが、 あの日光の眠り猫の表情に代表されるように、怖い猫の絵や彫りものが多い。 
ぼくは、あの猫の表情から干菓子の匂いを嗅ぐ。 
ぼくの描きたい猫は、干菓子じゃなくて、 ドロップのような、どちらかというと 西洋菓子に近いもののようだ。 
「猫は猫の夢を見る」(1980)新潮社より


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